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「矯正歯科で治療中に虫歯があっても教えてくれない」という噂(うわさ)を耳にして、不安になったことはありませんか?
本来、矯正治療を始める前には虫歯や歯周病がないかチェックし、発見されれば先に治療を行うのが基本です。
それにもかかわらず、なぜインターネット上に、このような噂が広まっているのでしょうか?
この記事では、矯正歯科で虫歯ができていても本当に教えてくれないのか、その噂の真相に迫ります。
また、矯正治療中の虫歯予防についての知恵袋として役立つ情報もご紹介しますので、ぜひご参考になさってください。
目次
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これは、矯正歯科と一般歯科の役割が異なるために起こる誤解です。
最初にお伝えしておきますと、当院では矯正治療中の虫歯予防も含めたトータルケアを提供し、歯列矯正と予防クリーニングを一貫して行い、お口の健康管理のサポートをさせていただいております。
ではどうして、インターネット上では「矯正歯科では虫歯があっても教えてくれない!」という誤解がまことしやかに流れているのでしょうか。
その噂の背景とリスクについて詳しく見ていきましょう。
矯正歯科と一般歯科の役割の違い
まず前提として知っておきたいのが、矯正歯科と一般歯科は、担っている役割が異なるということです。
矯正歯科の役割 | 矯正歯科のおもな目的は、歯列矯正を通じて歯並びや咬み合わせを改善することです。
矯正装置を用いた治療は長期的な計画で進められますが、虫歯の治療は専門外となることが多いのです。 |
一般歯科の役割 | 一般歯科では、虫歯や歯周病の治療を専門に行います。
定期的な診療を通じて虫歯の進行を防ぐことを目的とし、歯周病などの問題にも対応します。矯正治療中も、一般歯科で定期的な検診を受けることで、虫歯の見逃しを防ぐことができます。 |
矯正治療中に虫歯が見逃されるリスク
矯正治療中は、固定式の矯正装置が歯に取り付けられることで、虫歯が発見しにくくなることがあります。特にワイヤー矯正では、装置が歯を覆い隠し、虫歯の進行が見えにくくなるため、発見が遅れるリスクが高まります。
また、マウスピース矯正の場合でも、装置を外さない限り隠れている部分の虫歯が見逃される可能性があります。
このようなリスクを避けるためには、定期的に一般歯科で診療を受け、虫歯チェックをしてもらうことが非常に重要です。
定期検診を受けることで、虫歯の早期発見や歯周病の予防にもつながります。もし、かかりつけの一般歯科が矯正歯科と別のクリニックの場合は、そちらへも定期的に通院し、予防クリーニングや定期検診を受けるようにしましょう。
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1.矯正治療前に虫歯を治療しておく
ワイヤー矯正など、固定式の矯正装置をつけている場合は、ワイヤーやブラケットと歯の間に食べかすが引っかかりやすくなり、そこに細菌が繁殖します。
矯正治療の専用アイテムもありますので、適切なものを取り入れて、しっかりと歯磨きを行いましょう。
2.専用の歯ブラシやデンタルフロスを使用する
ワイヤー矯正など固定式の矯正装置では、装置のすき間に食べ物が詰まりやすく、細菌が繁殖しやすくなります。
専用の歯ブラシやデンタルフロスを使用して、矯正装置の周りについた歯垢をしっかりと除去しましょう。
その際、フッ素入りの歯磨き粉を使うことで、さらに虫歯予防効果を高めることができます。
矯正用歯ブラシ | 矯正装置矯正用の歯ブラシを使用し、矯正装置の周りに溜まるプラーク(歯垢)をしっかりと取り除きましょう。
ワイヤー矯正など、固定式の矯正装置をつけている場合は、ワイヤーやブラケットと歯の間に食べかすが引っかかりやすくなり、そこで細菌が繁殖します。 |
デンタルフロス | デンタルフロスを使って、歯と歯の間の掃除を忘れないようにしましょう。 矯正治療中は、特に装置の隙間や手の届きにくい部分に汚れが溜まりやすいため、フロスは重要なケアアイテムです。 |
フッ素入り歯磨き粉 | フッ素(フッ化物)が配合された歯磨き粉でのブラッシングも推奨されます。 フッ素は歯の再石灰化を促進して歯を強化し、虫歯予防効果を高めましょう。 |
3.食事に気をつける
矯正装置にダメージを与える可能性がある「硬い食べ物」や「粘着性の高い食べ物」は避けたほうがいいでしょう。
また、甘い食べ物や飲み物を控えることで、虫歯のリスクを減らすことができます。
「食べたら歯を磨く」を習慣を徹底して身に着けることも大切です。
4.定期的な歯科医院でのチェック
矯正治療中でも定期的に一般歯科でのチェックを受けることが重要です。
3~6ヶ月ごとの定期検診を受けることで、虫歯や歯周病の早期発見が可能になります。また、歯科医院のプロフェッショナル・クリーニングを受けて、自分では磨ききれない部分の汚れをしっかりと除去してもらいましょう。
5.予防クリーニングを受ける
定期的に専門的なクリーニングを受けることで、矯正装置の周りに溜まったプラークや食べかすをしっかり除去し、虫歯や歯周病のリスクを減らせます。
また、フッ素トリートメント(フッ素塗布)を受けることで、虫歯予防の効果をさらに高めることができます。
矯正治療中に虫歯が見つかると、一時的に矯正装置を外す必要があります。
ワイヤー矯正では、装置を外してから治療を行うことが一般的です。
虫歯の治療が終わった後、再度矯正装置を装着します。
つまり、矯正治療中に虫歯治療ができないわけではありませんが、虫歯治療を遅らせると、症状が悪化し、最終的に矯正のスケジュールに影響を与えることがあるのです。
そのため、下記について徹底して行うようにしましょう。
- ●矯正治療の前に、虫歯チェックと治療を行っておくこと
- ●矯正治療中は、一般歯科で定期検診やクリーニングを受けること
矯正治療中に虫歯が発見された場合、ワイヤー矯正では装置を一時的に外して虫歯治療を行うことが一般的です。治療後、再び矯正装置を装着します。インビザラインなどのマウスピース矯正では、簡単に装置を外せるため、虫歯治療がよりスムーズに行えます。
虫歯がある状態で矯正治療を行うことはリスクがあるため、事前のチェックや定期的な検診が欠かせません。虫歯治療を遅らせると、治療が複雑化し、最終的に矯正治療に遅れが生じることがあります。
ワイヤー矯正とマウスピース矯正の治療の違い
ワイヤー矯正では、虫歯治療のたびに装置を外す必要があるため、治療スケジュールに影響が出ることがあります。一方、インビザラインなどのマウスピース矯正は、装置を簡単に外せるため、虫歯治療が比較的スムーズです。どの矯正方法が最適かは、担当医と相談して決めましょう。
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「まだ虫歯チェックが済んでいない」のであれば、矯正治療がスタートする前に申告しましょう。
当院では、矯正治療と虫歯予防を両立させたトータルケアを提供していますので、ご安心いただけます。
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また、「インビザライン矯正認定医」による無料矯正相談を行っております。矯正治療中の心配事や不安がある場合も、お気軽にご相談ください。
ご予約はお電話、または24時間対応のWeb予約から受け付けております。
※マウスピース型カスタムメイド歯科矯正装置は、日本では完成薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となることがあります。