前歯のちょっとした傾きや捻転、デコボコの歯並びなどが気になる場合は、部分矯正で改善するのもひとつの選択肢です。歯列矯正というと、上下の歯並び全部を動かさなければならないと思われがちですが、症例によっては部分的な処置でもきれいにできることがあるのです。
しかも近年、人気が高まっているインビザラインにも部分矯正のプランが用意されているため、歯列矯正の敷居が大きく下がっているといっても間違いではないでしょう。今回はそんな部分矯正の特徴やメリット・デメリット、インビザラインで部分矯正する場合の特長などを四日市のプルチーノ歯科・矯正歯科が詳しく解説をします。
目次
部分矯正とは?
歯並びの乱れを細かく整える歯列矯正は、全体矯正と部分矯正の2つに大きく分けられます。今回のテーマである部分矯正は、歯列内の気になる部分だけを矯正する方法で、基本的には天然の前歯が対象となります。もちろん、ケースによっては奥歯も部分矯正することはありますが、患者さんのニーズは前歯部の審美性の改善にあるため、今回も前歯の部分矯正に焦点を当てて、詳しく解説していきます。
部分矯正のメリット
全体矯正ではなく、部分矯正を選択することで、次に挙げるようなメリットが得られます。
メリット①:気になる部分だけ矯正できる
部分矯正では、上下の歯並びの中でも気になる部分だけ矯正することが可能です。例えば、八重歯が気になっている場合は、犬歯だけを正常な位置に移動させることができるのです。出っ歯や乱ぐい歯なども部分矯正で治せます。
メリット②:全体矯正に比べて費用を安く抑えられる
部分矯正は、治療対象となる歯が少ないことから、使用するブラケットやマウスピースの数、治療にかかる手間なども少なくなります。そのため全体矯正と比べると、治療にかかる費用が安くなるのです。一般的な全体矯正は、800,000~1,000,000円程度の費用がかかりますが、部分矯正の場合は300,000~600,000円程度の費用で治療を完了させることができます。ケースによっては、全体矯正の半額もしくは1/3程度の費用で気になる部分だけを治せるのが部分矯正の大きなメリットのひとつといえます。
メリット③:治療期間が短い
部分矯正は、気になる部分だけを矯正する方法なので、動かす歯の本数が少なく、移動距離も短くなっています。そのため治療にかかる期間も全体矯正より極端に短くなります。一般的な全体矯正では、歯を動かすのに1~3年程度かかりますが、部分矯正なら3~10ヵ月程度で終了します。歯列矯正で辛い思いをする期間が短いことは、患者さんにとって何よりも価値の大きいメリットといえるでしょう。
部分矯正のデメリット
続いては、部分矯正に伴うデメリットについてです。部分矯正では全体矯正にないメリットが得られますが、決して万能であるわけではありません。少なくとも以下に挙げる3つのデメリットは事前に把握しておくようにしましょう。
デメリット①:噛み合わせが安定し辛い
噛み合わせというのは、上下の歯列全体で構成されるものです。そして、部分矯正は文字通り部分的な歯並びを改善する方法なので、治療の結果として噛み合わせが不安定になってしまうことがありますので、その点は十分に注意しましょう。部分矯正によってきれいな歯並びを手に入れても、噛み合わせが悪くなってしまったら元も子もありません。
デメリット②:理想的なEラインができないことがある
横顔の美しさの指標であるE(エステティック)ラインは、前歯部の歯並びと強い関連が認められます。具体的には、出っ歯や受け口、口ゴボといった症状は、Eラインを悪くする主な原因といえるでしょう。部分矯正では、そうした前歯部の歯並びを改善するための治療法なのですが、原則として抜歯することができません。
なぜなら抜歯をすると必然的に広範囲に及ぶ矯正が必要となるからです。また、抜歯によって生じたスペースを埋めるだけでもかなりの期間を要します。そうした非抜歯に限定された部分矯正では、どうしても口元の突出感を根本から改善することは難しいといえます。ですから、Eラインまで理想に近付けたい場合は、部分矯正ではなく、全体矯正を検討した方が良いです。
デメリット③:一部しか治せないので仕上がりに問題が生じる場合もある
部分矯正では、前歯部の歯並びをきれいに整えることは可能ですが、全体で見ると仕上がりに不満を感じてしまうことが多いです。そもそも部分矯正は、数本の歯しか動かすことができないため、歯列全体のバランスを整えるのは不可能なのです。
部分矯正で治せる歯並び
上述したように、部分矯正の対象となるのは、基本的に前歯部です。インビザラインの部分矯正では、中切歯・側切歯・犬歯に加えて、小臼歯まで治療範囲に含めることができますが、大きく改善できるのは前歯部であることを改めて強調しておきます。ですから、部分矯正で治せる歯並びとしては、前歯部に見られる叢生(そうせい)や空隙歯列(すきっ歯)、上顎前突(出っ歯)、下顎前突(受け口)などが挙げられます。
部分矯正で治せない歯並びは?
骨格的な異常に由来する歯並びの問題は、部分矯正で治すことはできません。また、前歯部以外に大きな問題を抱えた歯並びや抜歯が必須となるような歯並びも部分矯正では対応できないことの方が多いです。
部分矯正の治療法
部分矯正は、次の3つの治療法で対応できます。
① ワイヤー矯正(表側)
歯列の表側にブラケットとワイヤーを固定する方法です。部分矯正の場合は、数本の前歯に装置をつけて歯並びを部分的に改善します。そのため口元の審美性はある程度、低下してしまいます。
②ワイヤー矯正(裏側)
歯列の裏側にブラケットとワイヤーを固定する方法です。表側矯正と同じく、数本の前歯に装置をつけますが、外からはまったく見えない状態となるため、矯正中であることに気づかれにくいです。ただし、裏側矯正には高度な技術が求められるので、対応できる歯科医師は全国的にも一部に限られます。また、部分矯正にかかる費用が表側矯正やインビザラインよりも数万円から数十万円高くなる点に注意が必要です。
③ マウスピース矯正(インビザライン)
マウスピース矯正のインビザラインにも部分矯正のプランがあります。上述したように、前から5番目までの歯が治療対象となるプランで、透明なマウスピースを使って部分矯正を行えます。近年、部分矯正においても人気が高まっているインビザラインの詳細について、後段で詳しく解説します。
「インビザライン」を使った部分矯正の強み
インビザラインの部分矯正には、次に挙げる4つの強みがあります。
強み①:治療前に完成時の歯並びのシミュレーションができる
インビザライン矯正では、クリンチェックという専用のソフトを使った歯並びのシミュレーションを行うことが可能です。インビザラインの部分矯正によって前歯の歯並びが良くなっていく過程を3Dアニメーションで事前に確認できるのです。
強み②:ワイヤー矯正と比べて高額ではない
インビザラインの部分矯正は、比較的安い費用で提供されます。新しい治療技術ではあるのですが、従来のワイヤー矯正と比較して、費用が高くなるということはほとんどありません。
強み③:ワイヤー矯正と矯正期間がほとんど変わらない(または早い)
インビザラインは、歯並びの治療を快適に進められる方法ですが、その代償として治療期間が長くなるわけではありません。ワイヤー矯正とほぼ同じ期間で、部分矯正を終えることができます。
強み④:ワイヤー矯正と比べて通院回数が少ない
ワイヤー矯正では、1ヵ月に1回の通院が必須となりますが、インビザラインの場合は2ヵ月に1回くらいの頻度で部分矯正を進めていくことができます。
プルチーノ歯科四日市院では無料の矯正相談実施中
今回は、部分矯正の特徴やメリット・デメリットについて、四日市のプルチーノ歯科・矯正歯科が解説しました。全体矯正よりも費用が安く、治療が早く終わる部分矯正は、マウスピース矯正のインビザラインでも可能です。プルチーノ歯科四日市院では、そんな部分矯正のカウンセリングも無料で承っておりますので、前歯の歯並びをインビザラインで改善したいという方は、いつでもお気軽にご相談ください。