矯正歯科の治療では「ブラケット」という装置を使うのが一般的です。皆さんが歯並びの治療と聞いてまず思い浮かべるワイヤー矯正がまさにそのブラケット装置を使う治療法です。今回はそんな矯正歯科治療で使うブラケットの特徴やメリット・デメリット、素材によって分類される種類などについて、四日市のプルチーノ歯科・矯正歯科がわかりやすく解説をします。
目次
ブラケットとは
はじめに、ブラケットの基本事項から解説していきましょう。そもそもブラケットとは何なのか。どんな人がブラケット矯正に向いているのかを知ることはとても大切です。
① ブラケットとは何か
ブラケットとは、歯の表面に固定する四角い形をした装置です。最もポピュラーなブラケットは金属で作られており、見た目も銀色をしています。中央には矯正用ワイヤーを通すための溝(ブラケットスロット)があり、上下にはブラケットウィングという結紮線を引っ掛ける突起構造がついています。歯面には専用の接着剤で固定することから、歯科医師でなければ外すことはできません。そんなブラケット装置を1歯1歯に固定して、U字型のワイヤーを通すのがマルチブラケット法と呼ばれる治療法です。
② ブラケット矯正がおすすめの人
ブラケット矯正は、次に挙げるような人におすすめです。
・歯並びの乱れが大きい人
・足りないスペースを補うためにたくさんの歯を抜く必要がある人
・装置が目立ちやすくても気にならない人
・装置の着脱を自分で管理する自信がない人
マルチブラケット装置は、歯を大きく、3次元的に動かすのが得意なため、比較的重症度の高い症例でも治すことが可能となっています。
ブラケット矯正のメリット・デメリット
ブラケット矯正には、次に挙げるようなメリットとデメリットを伴います。
① ブラケット矯正のメリット
メリット1:矯正治療の歴史が長い
現在、人気が高まっているマウスピース矯正は、2000年代に入ってから日本での普及が始まりました。一方、ブラケット矯正の歴史は、その1世紀前の1900年代から始まっています。それだけ長い期間、世界中で行われてきた矯正法なので、実績は申し分ないといえるでしょう。もちろん、矯正治療を行う歯科医師の技術が未熟である場合はその歴史の長さも意味をなさなくなることもありますが、基本的には使用する装置から歯を動かすメカニズムまで、信頼性が高いといえるでしょう。
メリット2:適応できる症例の範囲が広い
上でも述べたように、ブラケット矯正は歯を3次元的に大きく動かすのが得意です。出っ歯や受け口、乱ぐい歯の症状が強い症例でも、抜歯をした上できれいに治すことも難しくはないのです。つまり、軽度から中等度、そして重度の症例まで、幅広く適応できるのがブラケット矯正の強みでもあるのです。ちなみに、マウスピース矯正の場合は、軽度から中等度の症例に適応されるのが一般的です。
メリット3:費用が比較的安い
金属製のメタルブラケットは、費用が比較的安いというメリットがあります。先進の矯正法と比べても、必要となる機材や器具なども限られるため、ブラケット矯正は全体としての費用を抑えやすいというメリットを伴います。
② ブラケット矯正のデメリット
デメリット1:見た目があまり良くない
ブラケット矯正は、デコボコとした装置が歯列の表側に固定されているため、どうしても目についてしまいます。ワイヤーだけでなく、ブラケットも金属製のものを選択した場合は、光が反射してギラギラと光ってしまうことでしょう。表面が白くコーティングされたホワイトワイヤーや白色のセラミックブラケットを選択することで、審美性の低下はある程度、抑えられますが、マウスピース矯正と比較した場合はやはり目立ちやすいです。
デメリット2:装置によるトラブルが多い
矯正用ワイヤーや結紮線は、口腔の粘膜を傷つけることがあります。硬い食べ物を噛んだ時にブラケットやワイヤーが外れることも珍しくはありません。歯磨きしにくいことから、矯正中に虫歯や歯周病になってしまうこともあるでしょう。
デメリット3:装着時の違和感が大きい
表面がデコボコとしたマルチブラケット装置は、装着時の違和感が大きいです。歯並びや装置の状態によっては、しゃべりにくさを感じることもあるでしょう。
ブラケットの種類
ひと言でブラケットといっても、実はたくさんの種類があります。ここでは代表的なブラケットを5つご紹介します。
① メタルブラケット
金属で作られた最も標準的なブラケットです。強度が高いため、壊れることはまずありません。その他のブラケットよりも費用が安いのですが、金属色がむき出しであることから、審美性は良くありません。
② プラスチックブラケット
プラスチックで作られた透明なブラケットです。強度は低く、経年的な摩耗や変色が起こりやすいです。セラミック製のブラケットと比較すると、費用は安いといえます。
③ セラミックブラケット
天然歯の色に似たセラミック製のブラケットです。強度は比較的高く、経年的な劣化も起こりにくいです。費用はやや高くなりますが、ブラケットの審美性を追求したい人にはおすすめできます。
④ ジルコニアブラケット
セラミックの一種であるジルコニアを使ったブラケットです。セラミックブラケットと同様、見た目は自然で経年的な劣化も起こりにくいです。強い衝撃が加わっても割れることはほとんどありません。
⑤ リンガルブラケット
歯列の裏側に装着するブラケットです。いわゆる裏側矯正で用いられます。見た目は表側矯正のメタルブラケットに似ていますが、細かい点に違いが見られます。裏側矯正専用のブラケットということもあり、費用はかなり高額となる点に注意が必要です。
治療手法
続いて、ブラケット矯正の治療手法について解説します。ブラケット矯正の手法は「表側矯正」と「裏側矯正」の2つに大きく分けられます。
① 表側矯正
特徴:ブラケットとワイヤーを歯列の表側に装着
メリット:費用が安く、対応できる歯科医師が多い
デメリット:装置が目立ちやすい
◎こんな人におすすめ
・ブラケット矯正を安く受けたい人
・装置が表側にあっても気にならない人
② 裏側矯正
特徴:ブラケットとワイヤーを歯列の裏側に装着
メリット:装置がまったく見えないため、周囲に気づかれることがない
デメリット:費用が高く、対応できる歯科医師が少ない
◎こんな人におすすめ
・周囲に気づかれずに歯並びを治したい人
・費用が高くても気にならない人
プルチーノ歯科のご紹介
今回は、矯正歯科治療で使用するブラケットの特徴やメリット・デメリット、種類などを四日市のプルチーノ歯科・矯正歯科が解説をしました。最後に当院の矯正治療について簡単に紹介させていただきます。
◎インビザラインが得意な歯医者さん
プルチーノ歯科・矯正歯科では、ブラケット矯正だけでなく、マウスピース型矯正「インビザライン」にも対応しております。インビザラインに関しては豊富な実績が評価されて「ダイヤモンド・プロバイダー」の認定を受けているため、さまざまな症例に対応可能です。
インビザライン矯正なら、ブラケット矯正に伴う「見た目があまり良くない」、「装置によるトラブルが多い」、「装着時の違和感が大きい」といったデメリットをきれいに解消できることでしょう。また、当院はiTero(アイテロ)と呼ばれる口腔内3Dスキャナーを導入していることもあり、矯正相談の場で簡便な歯の移動のシミュレーションを実施することも可能です。従来の不快な歯型取りは不要となっております。
もちろん、ブラケット矯正を希望される方には、標準的なワイヤー矯正をご提案できますのでまずはお気軽にご相談ください。お子さんの矯正治療にも対応しております。