歯並びの治療は、大人になってからでも受けられます。近年は30~40代から歯列矯正を始める人も増えてきているため、子供の頃に受ける必要性が薄れてきているように感じるかもしれませんね。けれども実際は子供のうちに矯正をする重要性に変わりはなく、お子さんの歯並びや噛み合わせに問題があれば小児矯正を受けることが推奨されます。今回はそんな小児矯正を受けるメリットやデメリット、信頼できる歯科医院選びのポイントなどを四日市のプルチーノ歯科・矯正歯科が詳しく解説をします。
目次
▼小児矯正とは
そもそも小児矯正とは何なのか。そんな疑問をお持ちの方も少なくないことでしょう。そこでまずは小児矯正の基本事項から学んでいきましょう。
◎何歳まで小児矯正になるの?
小児矯正は、子供が受ける歯並びの治療なので、何歳までが対象となるのか気になりますよね。結論からいうと、小児矯正に厳密な年齢制限はありません。なぜなら小児矯正で重要となるのは、年齢ではなく、お子さんの歯や顎の骨の発育状況だからです。そして、体の発育には個人差があるため、年齢だけで判断しても意味がないのです。その上で小児矯正が何歳まで対象になるかというと、1期治療が12~13歳くらいまで、2期治療はそれ以降、何歳になっても受けられるといえます。これだけだと少しわかりにくいかと思いますので、後段でさらに詳しく解説します。
◎1期治療と2期治療とは
【1期治療】
1期治療は、皆さんが思い浮かべる“小児矯正”にあたるものです。大人の歯が生え始めて、永久歯列が完成するくらいまでに受けるものなので、対象年齢は6~12歳くらいとなります。この時期は子供の歯と大人の歯が混在する混合歯列期であると同時に、顎の骨の発育が活発でもあるため、矯正治療によって歯と顎の成長を正常に促すことが可能となります。ですから、小児矯正の1期治療に関しては、始める時期や年齢を厳密に見極める必要があるといえるのです。
【2期治療】
2期治療は、小児矯正の仕上げの段階です。歯並びの乱れを細かく整えていく「歯列矯正」がこれにあたります。2期治療では、顎の骨の成長が終わっている、あるいは終わりに向かっていることが重要なので、一般的には12~13歳以降に始めることになります。顎が成長する力を利用しないのであれば、改めて大人になってから2期治療を行っても問題はありません。
▼子供のうちに矯正をするメリット
小児矯正を受けると、次に挙げるようなメリットが得られます。
◎歯を清潔に保ちやすくなる
歯並びが良くなると、歯磨きしやすくなります。歯垢や歯石が付着しにくくなり、細菌の繁殖も抑えられるでしょう。その結果として虫歯や歯周病のリスクも抑制できます。
◎偏ったあごの歪みを軽減できる可能性もある
小児矯正では、顎の骨の発育を正常に促すことができるため、左右非対称な顔貌を改善できるケースもあります。偏った顎の歪みを軽減できることは、お子さんのこれからの人生において、とても大きなメリットとなるでしょう。
◎永久歯を抜かずに矯正できる可能性がある
2期治療で抜歯が必要となるのは、歯を並べるための土台に問題があるからです。つまり、顎の骨が小さかったり、上下のバランスが悪かったりすることが歯列不正の原因となるため、歯を抜いて調整する必要が出てくるのです。そうした顎の骨の問題を1期治療で解決できれば、2期治療の抜歯を回避しやすくなります。
◎スムーズな発音がしやすくなる
歯並びは、発音とも深く関係しています。とくに出っ歯や受け口、すきっ歯などは、発音を悪くしやすいため要注意です。小児期に歯並びを正常化しておけば、発音もスムーズに行えるようになります。
◎コンプレックスが解消される
子供のうちに歯並びの問題を解決しておけば、口元のコンプレックスに悩まされることがなくなります。その結果、いろいろなことに積極的な行動をとれるようになるでしょう。とくに高校生や大学生になった時の影響が大きいといえます。
▼子供のうちに矯正をするデメリット
小児矯正を受けることでたくさんのメリットが得られますが、いくつかのデメリットを伴う点も知っておいてください。
◎トータルの治療期間は長くなる
小児矯正を受けることによって、個々の治療期間は短くなるといえます。例えば、小児矯正を行わずに大人の矯正を受けた場合は、歯を動かすのに2~3年、場合によってはそれ以上の期間を要することも珍しくありません。1期治療を受けていれば、土台はもうしっかりしているので、歯列矯正を1~2年で終えることも難しくないでしょう。けれども、1期治療と2期治療を合わせると、結果としては成人矯正だけを受けたケースよりも治療期間が長くなります。この点を小児矯正のデメリットと感じる人もいらっしゃるかもしれません。
◎子供が矯正に協力的になるとは限らない
大人になってからの矯正治療は、比較的スムーズに進めることができます。なぜなら成人矯正の場合は、本人の意思で始めることがほとんどだからです。一方、小児矯正は親御さんの希望からスタートするケースが多いため、お子さんの協力が得られない場合もあるのです。お子さんが矯正装置の装着を嫌がったり、通院を拒んだりした場合は適切な治療効果を得ることが難しくなります。
◎矯正中に虫歯になりやすい
歯並びの治療後は、歯磨きしやすく虫歯になりにくい口内環境が手に入りますが、矯正中はその逆です。装置が邪魔で歯磨きしにくく、虫歯リスクも高くなる点にご注意ください。
▼小児矯正治療の歯科医院の選び方
小児矯正は、とても専門的な治療なので、歯科医院選びは慎重に行う必要があります。小児矯正で失敗や後悔をしないためにも、信頼できる歯医者さんを探すようにしましょう。以下に挙げる3点に着目するだけでも、良い歯医者さんが見つかりやすくなりますよ。
◎説明や案内のわかりやすさ
小児矯正をお願いする歯医者さんとは、長い付き合いとなります。それだけにコミュニケーションが取りやすかったり、説明や案内がわかりやすかったりするという点は極めて重要となるでしょう。小児矯正のカウンセリングを受ける時には、その歯科医院のスタッフや歯科衛生士、歯科医師の人柄や雰囲気までしっかりチェックすると良いですよ。
◎設備
小児矯正を行うための設備が整っていることは、前提条件として満たしている必要があります。例えば、歯並びや骨格を精密に検査できるセファログラムは、小児矯正を適切に進めていく上で必須といえます。お子さんが待ち時間を楽しく過ごせるキッズスペースなどが完備されているとなお良いです。
◎小児矯正治療に対する経験や知見
小児矯正を任せる歯科医院を選ぶ際に、最も重要となるのは経験や知見です。小児矯正は、歯や顎の発育という複雑な要素が絡んでくるため、教科書通りの方法では上手くいかないことも多々あります。その時に頼りになるのが過去の経験や積み重ねてきた知見なのです。これまでたくさんの症例に当たってきた歯医者さんなら、いろいろなケースにもしっかり対応できることでしょう。
▼まとめ
今回は、歯並びの治療を子供のうちから受けるメリットやデメリット、信頼できる歯科医院選びのポイントについて、四日市のプルチーノ歯科・矯正歯科が解説しました。本文でも紹介したように、小児矯正には成人矯正では得られない治療効果があります。それはお子さんの将来にまで大きな影響を及ぼすような効果なので、もしも小児期に歯並び治療を受けさせてあげられる環境があるのなら、まずはカウンセリングを受けることをおすすめします。当院であればマウスピース矯正「インビザライン」での小児矯正にも対応しておりますので、関心のある方はお気軽にご相談ください。