インプラントは治療後のメンテナンスが重要という話はよく耳にしますよね。従来法の入れ歯やブリッジでは、治療後のメンテナンスの重要性がそれほど強調されることはないのになぜインプラントだけ?という疑問を持たれている方も多いかと思います。そこで今回は、インプラントのメンテナンスが必要な理由やその効果、流れ、自宅でできるセルフメンテナンス方法などを三重県のプルチーノ歯科・矯正歯科が詳しく解説をします。
目次
【1】 インプラントのメンテナンスが必要な理由
インプラント治療では、次に挙げるような理由からメンテナンスが必須となっています。
① インプラントの寿命に大きく差が出るから
インプラントは、従来法よりも寿命が長い装置です。一般的には10~15年は持つものと考えられており、適切なケアを継続すれば、20年、25年と寿命を延ばしていくことも難しくはありません。そうしたインプラントの寿命を維持する上で必須となっているメンテナンスです。仮に治療後のメンテナンスを1度も受けないようなことがあれば、おそらく、そのインプラントは5年も持たないことでしょう。インプラントのメンテナンスというのは、それくらい寿命を大きく左右する要素なのです。今現在、インプラント治療を検討中の方は、この点をしっかり理解しておく必要があります。
② 何度も手術できない可能性があるため
従来法の入れ歯は、寿命を迎えても繰り返し再治療できますが、インプラントの場合は事情が変わります。なぜなら、インプラントには顎の骨にチタン製の人工歯根を埋入するという外科手術を伴うからです。メンテナンスを怠って人工歯根が脱落したとしても、顎の骨や全身の状態が良ければ、繰り返し手術を行うことも可能ですが、多くのケースでは何度も手術できないのが現実です。それならば最初に埋め込んだ人工歯根をできれば、一生涯、使い続けたいものですよね。そのためにはインプラント治療後の定期的なメンテナンスが必須となります。
③ インプラント保証の条件になっているから
インプラントメーカーの多くは、インプラント治療に対して5年保証や10年保証を付けています。その期間内であれば、インプラントに不具合が生じても無償で再手術等を受けられますが、治療後のメンテナンスを定期的に受けていることが条件として課されているのです。こうしたある意味での強制力が働いていることもあり、インプラント手術を受けた人のほとんどは、治療後の定期的なメンテナンスを欠かさず受けるようにしています。
【2】 インプラントの寿命を延ばすには
インプラントは、人生における一大決心といっても過言ではないくらい、重要な歯科治療となります。1本あたり300,000~500,000円程度の費用がかかるだけでなく、治療期間も半年程度かかることから、失敗や後悔だけは避けたいものです。そのためには以下に挙げる方法でインプラントの寿命を延ばすのが最善といえるでしょう。
① 定期的にメンテナンスを受ける
インプラントの寿命を延ばすのであれば、定期的なメンテナンスの受診が前提となります。インプラントは本物の歯のような構造を採っており、見た目が美しく、硬いものでもしっかり噛めるのですが、あくまで人工物であることを忘れてはいけません。天然歯と同じようにケアしていたのでは、さまざまな不具合が生じかねませんので、プロフェッショナルによるケアやメンテナンスをしっかり受けるようにしましょう。
② セルフケアを怠らず、歯周病に注意する
当然ですがインプラントはプロフェッショナルケアだけを受けていても不十分です。自宅でのセルフケアはプロフェッショナルケアと同等、あるいはそれ以上に重要なものとなります。とくにインプラントの周りに歯垢や歯石がたまってしまうと、歯周病のリスクが大きく上昇するため注意が必要です。インプラント特有の歯周病である「インプラント周囲炎」は、インプラントの寿命を縮める主な原因です。インプラントを取り巻く歯茎や顎の骨が破壊されて、人工歯根が脱落します。そうした最悪の事態を回避するためにも、セルフケアはしっかり行っていきましょう。
③ 健康的な生活を心がけ骨粗鬆症などに注意する
インプラントの寿命は、全身の健康状態にも左右されます。例えば、骨の密度が低下する骨粗鬆症(こつそしょうしょう)にかかると、チタン製の人工歯根と顎の骨との結合が失われて、インプラントが寿命を迎えます。糖尿病にかかるとインプラント周囲炎のリスクが大きく上昇するため、インプラントの寿命を縮めることになります。ですから、インプラント治療後は健康的な生活を心がけて、糖尿病などの生活習慣病を予防するよう努めましょう。
【3】 インプラントのメンテナンスの流れ
ここからは、インプラントのメンテナンスの具体的な流れの説明です。インプラントのメンテナンスでは実際にどのようなことを行うのか気になっている方も多いことでしょう。
① 口の中の状態をチェック
インプラントのメンテナンスではまずお口の中を詳しく診ていきます。とくに人工歯にあたる上部構造が欠けたり、割れたりしていないかは重要なチェックポイントです。インプラントの周りの歯茎の状態なども丁寧に検査していきます。
② 噛み合わせの状態の確認
インプラントのメンテナンスで極めて重要なのが噛み合わせのチェックです。いわゆる咬合状態(こうじょうじょうたい)が悪いと、上部構造が割れたり、顎の骨に大きな負担がかかったりするからです。噛み合わせが悪くなっている場合は、適切な方法で調整を加えます。
③ レントゲンによる検査
インプラント治療のかなめである人工歯根は、顎の骨の中に埋まっているため、肉眼では確認できません。レントゲン撮影を行うことで、その状態を把握できます。インプラント周囲炎などの異常が生じている場合は、レントゲン画像に病変が現れます。
④ ブラッシング指導
インプラントに大きなトラブルや異常が認められなかったら、ブラッシング指導へと移ります。インプラントを正しくブラッシングするためにはそれなりのコツが必要となりますので、プロフェッショナルによる指導を受けましょう。
⑤ PMTC等のクリーニングの実施
最後に、PMTC等のクリーニングを行って、インプラントのメンテナンスは終了です。インプラントによっては、上部構造を外した状態でクリーニングを行うこともあります。
【4】 自宅でもできるセルフメンテナンスの方法
インプラントのセルフケアを行う際には、以下の3点を意識しましょう。
① 柔らかい歯ブラシで丁寧に磨く
セルフケアを徹底するとなると、かための歯ブラシでゴシゴシと磨きたくなりますが、それはインプラントを傷つける恐れがあるため控えるようにしてください。セラミック製の上部構造やチタン製のインプラント、アバットメントはとても丈夫に作られているのですが、毎日硬い歯ブラシでブラッシングしていると、表面に傷がついてしまいます。インプラントの周りの歯茎を傷めることにもなるため、やわらかめの歯ブラシで丁寧に磨きましょう。
② デンタルフロスで歯垢を除去する
歯と歯の間の汚れは、デンタルフロスでなければ除去できません。とくにインプラントが設置されている部分は歯垢がたまりやすいなっていますので、デンタルフロスを上手に活用してプラークフリーな状態を維持しましょう。
③ マウスウォッシュで口内を清潔に保つ
殺菌作用が期待できるマウスウォッシュは、インプラントを清潔に保つ上で有用です。歯磨きをする時はもちろん、出先でお口のケアが難しい場合にもマウスウォッシュで口内細菌の活動を抑えるように努めてください。
【5】 プルチーノ歯科・矯正歯科のインプラント治療について
今回は、インプラント治療後のメンテナンスの重要性について、三重県のプルチーノ歯科・矯正歯科が解説しました。当院は、矯正治療に加えて、インプラントにも力を入れている歯医者さんですので、失った歯の治療をインプラントで検討中の方はぜひプルチーノ歯科までご相談ください。人工歯根を顎の骨に埋入するインプラント手術は、特別診療室という衛生管理が徹底された部屋で受けることができます。その他、歯科用CTレントゲンや高圧蒸気滅菌器、コンピューター制御の麻酔器など、先進の医療機材を多数、導入しております。