ここ数年で「歯周病」という言葉をテレビやネット、雑誌などで見聞きする機会が増えたと思いませんか?歯周病は虫歯と並ぶ口腔の2大疾患として知られていますが、単なる歯茎の病気と考えるのはとても危険だからです。厚生労働省や歯科医師会が歯周病を積極的に治療・予防することを呼び掛けていることからもわかるように、虫歯よりもある意味で怖い病気といえます。今回はそんな歯周病について、この病気の特徴や治療法を四日市のプルチーノ歯科・矯正歯科がわかりやすく解説をします。
目次
1,歯周病とは
まずは歯周病に関する基本事項の説明です。
◎歯周病の症状
歯周病にかかると、歯茎の腫れや出血が認められるようになります。これを専門的には「歯肉炎(しにくえん)」と呼びます。歯茎である歯肉だけに炎症反応がとどまっている状態です。歯茎から血が出ているのですが、痛みを感じることはありません。
【歯肉炎の症状】
・歯茎が赤く腫れる
・歯茎から血が出る
歯肉炎を放置していると、歯周炎へと進展します。炎症反応が歯茎だけではなく、顎の骨にまで広がった状態で、後戻りできない症状が目立つようになります。具体的には、歯茎が下がる、顎の骨が溶ける、歯周ポケットが深くなる、歯がグラグラするなどの症状が認められます。歯周炎の末期症状は、歯の脱落です。
【歯周炎の症状】
・歯茎が下がる(=歯が伸びたように見える)
・顎の骨が破壊される
・歯周ポケットが深くなる
・歯が動揺する
・食べ物を噛みにくくなる
・歯と歯の間に食べ物が詰まりやすくなる
・口臭が強くなる
◎歯周病の原因
歯周病は、細菌感染症の一種です。P.g菌に代表される歯周病菌に感染することで発症する病気なので、お口の中が不潔だとそのリスクも高まります。とくに「歯石」は歯周病菌の温床となりやすいため、ため込まないよう注意しましょう。
2,歯周病の治療内容について
歯周病の治療方法は、重症度に応じて変わってきます。
【軽度の歯周病】
軽度の歯周病は、歯茎の腫れや出血が目立つだけで、歯周ポケットはまだ深くなっていません。歯と歯茎の境目付近にたまっている歯垢や歯石を取り除くことで、症状の改善が見込めます。歯科医院でクリーニングとスケーリングを受けて、細菌の温床となる汚れを一掃しましょう。その後はセルフケアで汚れの再付着が起こらないよう、しっかり歯磨きする必要があります。
・クリーニング
・スケーリング
・ブラッシング指導
【中等度の歯周病】
中等度の歯周病では、歯肉炎から歯周炎へと移行しているため、歯周ポケットは4mm以上になっています。通常のクリーニングやスケーリングだけでは汚れを取り切れないことから、ルートプレーニングと呼ばれる処置も必要となります。ルートプレーニングは、歯周ポケットの奥深くまでスケーラーを挿入して歯石などを取り除く治療法です。処置の際には出血や痛みを伴うため、事前に局所麻酔を施します。その他の処置は、軽度の歯周病と同様に行っていきます。
・クリーニング
・スケーリング
・ルートプレーニング
・ブラッシング指導
【重度の歯周病】
◎フラップ手術
重度の歯周病では、歯茎や顎の骨の破壊が進んでいます。歯垢や歯石をとっただけでは改善できない症状が現れているため、外科的な治療が必要となります。例えば、歯周ポケットが深すぎて、通常のルートプレーニングでも対応できないようなケースには、「フラップ手術」が適応されます。歯茎をメスで切開して歯根面を露出させ、肉眼で確認できる状態でルートプレーニングを行います。歯根面がきれいなったら歯茎を縫合して傷が癒えるのを待ちます。
◎歯周組織再生療法
歯周病によって破壊された歯茎や歯槽骨(しそうこつ)は自然治癒によって元に戻ることはありません。そのままでは歯が伸びたように見えるだけではなく、歯を支える力も弱くなっていることから、「歯周組織再生療法(ししゅうそしきさいせいりょうほう)」によって改善する必要があります。歯周組織再生療法とは、その名の通り歯茎や歯槽骨といった歯周組織を外科的な処置によって再生する方法です。一般的にはエムドゲインやリグロス、歯周組織誘導法(GTR)などが適応されます。
3, 最新の歯周組織誘導法(GTR)について
四日市のプルチーノ歯科・矯正歯科では、最新の歯周組織誘導法(GTR)に対応しております。
① 「歯周組織誘導法」とは
歯周組織誘導法とは、歯周病によって破壊された骨の部分に「メンブレン」と呼ばれる人工膜を設置する方法です。ここで疑問に感じるのが「なぜ膜を設置するのか?」という点ですね。本来、歯周病によって破壊された骨の部分は、粘膜が作られて傷口を治癒させるような方向へと進みます。それだと骨の再生が妨げられてしまうことから、人工膜で覆う必要があるのです。人工膜で覆われた部分は、粘膜を再生する細胞の侵入が制限されます。その結果、骨が優先的に再生されていくのです。
② どのような時に効果的な治療法なのか
GTR法は、歯周病によって生じた骨の欠損に壁があるような状態だと、効果的に治療ができます。専門的には2・3壁性骨欠損と呼ばれるもので、顎の骨が再生しやすい状態といえます。歯周ポケットも6~7mm程度までならGTRで治療しやすいです。その他、歯の根っこが分かれる「根分岐部(こんぶんきぶ)」の骨欠損でもGTR法で効果的に治療できます。
③ どのような効果が期待できるのか
GTR法では、本来は自然治癒することがない顎の骨の欠損を再生することが可能です。上段で説明したような症状であれば、いろいろな奥歯でも前歯でも適応可能です。四日市のプルチーノ歯科・矯正歯科が採用している最新のGTR法なら、骨の欠損部に設置した人工膜を取り出す必要がないため、手術を1回で済ませることが可能です。それは自然と体内に吸収される人工膜を使用しているからです。再生療法の手術が1回で終わるのは、患者さんの心身への負担を大きく減少することにつながります。
4,プルチーノ歯科・矯正歯科の歯周病治療を紹介
最後に、四日市のプルチーノ歯科・矯正歯科で行っている歯周病治療についてかんたんご紹介します。
◎プルチーノ歯科の歯周病治療の特徴
当院には、歯周病治療の実績豊富な歯科医師が在籍しているため、軽度から中等度のみならず、重度の症例にも対応できます。他の医院では「抜歯するしかないですね」と診断されたケースであっても、当院なら歯を抜かずに治せるかもしれません。本文でもご紹介したフラップ手術や歯周組織再生療法を行うことで、歯の保存が可能となるケースも珍しくないのです。軽度から中等度の歯周病もしっかり治していきますので、歯茎の腫れや出血、痛みなどにお困りの方は、いつでもお気軽にプルチーノ歯科・矯正歯科までご相談ください。
◎歯周病治療の方針
当院の歯周病治療の方針は、可能な限り歯を残すことです。現状、天然歯に優る人工歯は存在していません。天然歯を残せるのであれば、あらゆる方法を使って保存に努めるべきです。それが患者さんの人生の質を大きく向上させることにつながると信じております。もちろん、歯周病の状態によっては当院でも保存が不可能な場合もあります。そうしたケースでは歯を安全に抜いた上で、ブリッジや入れ歯、インプラントといった治療をご案内いたします。
5,まとめ
今回は、歯周病の治療方法について、四日市のプルチーノ歯科・矯正歯科が解説しました。歯周病は細菌感染症の一種で、歯周病菌の温床となる歯垢・歯石を一掃できなければ治せません。そのためにクリーニングやスケーリング、ブラッシング指導などを積み重ねていきます。歯茎や顎の骨が破壊されるほど進行した歯周病にも再生療法などが用意されていますので、最後まで諦めずに治療を頑張っていきましょう。当院までご相談いただければ、全力でサポートいたします。